小児が痛みを我慢してスポ-ツをするということ

 

小児でスポ-ツ活動を本気でしている人には様々な痛みを抱えている人がいます。

私の外来でも慢性の痛みをかける人を多く認めます。

我慢しながらスポ-ツを続ける-----どういう風になるかを考えてみましょう。

 

 

小児が痛みを我慢してスポ-ツをしても、より良い記録を出すことは不可能です

それどころか我慢して競技を続けることによって、回復するのが遅くなったりひいてはそのスポ-ツを断念しなければならない可能性があります。例えば小学生の時はエースで速いボールを投げていたが、高校になると野球肘のためピッチャ-ができなくなった選手をよく見かけます。私の近くの学校でも腰部椎間板ヘルニアで安静を指示していたのに、監督の指導でスポ-ツを休むことができず、結局は手術に至ったという選手がいました。

 

 ではなぜ我慢してスポ-ツをしてはいけないのでしょうか。

もちろんよりよい記録をだすためには、きついときにもうひと頑張り我慢するということはスポ-ツで大切なことです。また多少の筋肉痛は筋肉を肥大させ強くしますのでこれも問題ないでしょう。

 しかし監督によっては、痛いというと、根性論を出して、休ませなかったりレギュラ-からはずしたりすることもあり、生徒自体も試合が出れなくなるということを恐れて痛みを隠す選手もいます。いくら名監督と世間から呼ばれていたとしても、選手の将来を考えないで目の前の勝敗を優先して、選手をつぶしてしまうようなことがあれば立派な指導者とは言えないと思います。逆に選手のほうも痛いというと試合に出させてもらえなくなるとか、おこられるいう理由で症状をかくす児童がいます。

 

 

 こういうことがありますから、しっかりとした診断をしてその後を判断をするように、痛みのプロである整形外科医に相談をする必要があります。医師ではない整骨院などは、そもそも診断をするということ自体が法的にも許されていません。ましては整体というのは国家的に認められた資格ではな(なぜなら整骨院の資格である柔道整復士は骨折、脱臼の初期と、打撲捻挫以外は施術できないということになっています)

痛みとは体が休ませてほしいという危険信号をだして考えることができます。スポ-ツにより骨、関節,靭帯に刺激が加わりその刺激が限界を超えると痛みとしてその症状が現れます。初期の段階で正しい対応をすれば後遺症もなく将来もスポ-ツを続けられます。しかし我慢して限界を超えて病院を受診しても手遅れになってしまうことがります。特に子供には成長軟骨が関節の付近にあります。もしここが損傷されるとその時だけの痛みでなく成長に伴い変形などが生じ、日常生活にも痛みや制限をきたす状態になってしまいます。

 

ではなぜ痛みが起きるのでしょうか。大きく分けて3つあります。

  1.  やりすぎ
  2. 負荷が大きすぎる
  3. やり方が悪い(場所、道具、方法、フォ-ム)

子供には成長に差があります。子供には発育の程度にしたがってスポ-ツをする環境を整えたり、それぞれの体力や特性(柔らかさ)に応じ練習メニュ-を考える必要があります。

 

  最も大事なことは痛みが出た場合、はっきりとした診断、治療をすることが大切です。そうすることで大好きなスポ-ツを続けてより良い記録が出せるようにしましょう。よくあるのは整形外科に行ってしっぷしただけであとは休むように言われた。なにもしてくれないということがあったという人がいます。これは何もしないということではなく、診察した整形外科の先生は何もしないということがその人にとって必要なことだと考え、中途半端な治療をしながら直すという方法を取らなかったということではないかと思います。

 

当院では何もしないということはなく問題のない範囲で、スポーツができるように配慮しています。

 何よりも大事なことはしっかり将来を見据えた診断治療方針を決めることが大切と考えていただければよいと思います。

  小林整形外科 宇部市 ホ-ムペ-ジ