深部静脈血栓症、静脈血栓塞栓症

 

サッカ-のプロ選手が飛行機に乗って(エコノミ-クラス)-かかったことで有名になった傷病です。

 

概要

下肢の深部静脈【大腿静脈、膝窩動脈など)に血栓が生じる疾患を深部静脈血栓症(DVT)といいます。

 

成因には血流のうっ滞、血液の凝固亢進、血管の内皮損傷の3要素が生じる素因が重要である。

発生しやすい状況

 

 手術、特に整形外科の下肢の手術、長期臥床、外傷、麻痺、不動(長期臥床、エコノミークラス症候群)    

  経口避妊薬の内服、骨そしょう症のSERM服用時などがあげられる。

 

この血栓が血流にのって肺のほうへ飛んで肺動脈に血栓をきたしたものを肺塞栓症(PE)と呼んでいます

DVT+PEを合わせて静脈血栓塞栓症(VTE)と呼んでいます。

 

診断

 多くの場合DVTだけでは無症状である。浮腫や皮膚の色が少し黒ずんだりすることもある。血栓の周囲に炎症が生じ血栓性静脈炎となった場合疼痛や圧痛が生じてきます。

肺塞栓症の場合に小さい血栓では無症状となるが広範に塞栓がが生じた場合胸痛、呼吸困難、チアノ-ゼやショックが起こり、命にかかわることがあります。

 

検査

DVT

 まずDダイマ-を測定する

 Dダイマ-が正常ならDVTの可能性は極めて低い。

 画像では造影CT,エコ-、静脈造影などで診断。

 

PE

 まず疑うことが大切

 パルスオキシメ-タ-で酸素飽和度を測定する。

  確定には肺動脈造影、造影CTが最も有効

 

 

 

予防

VTEは発症する前に予防することが大切。

 脱水を防ぎ下肢の運動を励行させることが大切である。

それにくわえて弾性ストッキングや観血的空気圧迫法など理学的予防法、抗凝固療法(ヘパリン、Xa凝固因子阻害薬などを服用する。

 

 

治療

抗凝固療法、血栓溶解療法

外科的摘出

下大静脈へのフィルタ-挿

 

                 小林整形外科  宇部市        ホ-ムペ-ジ