母指CM関節症について

  • 親指の根元が痛む、
  • 親指の根元がが出てきた
  • 親指で物を持つと痛い

などの症状があったらこの病気の可能性があります。

 

 関節の表面を覆っている軟骨が加齢につれて摩耗することは膝に多いですが、母指の付け根の関節にも多くこれを母指CM関節症と呼びます。

母指には3つの関節がありますが、このうち一番体に近い手首のそばの関節がCM関節です。母指CM関節症は女性に多く、45歳以上の女性では3人に1人は軟骨に摩耗があり、そのうち3人に1人が痛みなどの症状を抱えているとも言われています。

疾患の概要

母指の付け根にある関節の変性疾患です。過度の関節の酷使や加齢、その他の原因により関節のゆるみと炎症が生じ、次第に軟骨が摩耗して骨が露出するようになります。

 

はじめはだるい痛みが多く、軟骨の摩耗が進行するとともに母指を使う作業の際にずきっとした強い痛みを自覚するようになります。ドアのハンドルの開閉、ペットボトルをあけるときなどの行為で痛みを訴えられる方が多いです。CM関節が亜脱臼するために母指の基部に骨の突出を触れるようになります。

「母指cm関節症」の画像検索結果 矢印の場所がCM関節です。関節の変形を生じています。
CM関節症の外観

 

診断
レントゲン上軟骨の変性や亜脱臼が認められれば診断がつきます。ただ亜脱臼や軟骨変性の程度と症状とは必ずしも一致しません。
 
「母指cm関節症」の画像検索結果亜脱臼して変形したCM関節のレントゲン写真  

治療

治療では痛みを緩和させ、関節の変形の進行を食い止めることが中心になります。
痛みに対しては、消炎鎮痛剤の内服や湿布、軟膏などを使います。

 

また、テーピングや小さな装具による固定も有効です。

そのほか、温熱療法も痛みを軽減するのに効果があります。 
母指CM関節症の治療(JCOAより引用)
      母指CM変形関節症では、装具を使った療法などで効果が得られない場合、関節を固定する手術やじん帯の手術をすることがあります。


 

 

手術

湿布や装具の着用でも症状が改善しない場合には手術が考慮されます。

痛みから解放するため痛んだ関節軟骨を切除し、腱による関節の安定化(制動術)を行います。骨は主に大菱形骨と呼ばれる手根骨を摘出することもあります。

CM関節症の場合は関節がグラグラする不安定な状態になったり、亜脱臼の状態になりやすいので靭帯を移植して関節を安定化させる手術です。
 もうすでに関節の破壊が進んでいる場合は関節固定術を行います。