上腕骨外顆骨折

 

概要

肘関節伸展位で倒れ内反あるいは外反を矯正されたときに発生することが多い骨折です。小児特に5-6歳に多いとされています。上腕骨外側顆骨折は顆上骨折に次いで頻度の高い小児肘周辺骨折で、骨折線のほとんどが軟骨部分であるため診断が困難なことがあります。治療法を誤ると偽関節となることも稀ではなく、転位が大きい症例では手術が必要です。偽関節となって、成長につれ肘が極端に外側に曲がる外反肘変形が増強し、成人になり遅発性尺骨神経麻痺といって手の小指側の痺れや筋力低下が生じることがあります。上腕骨外側顆の偽関節が判明した場合、偽関節部分を癒合させる手術が適応されます。

図4:小児上腕骨外側顆骨折

小児上腕骨外側顆骨折

 

X線所見

転位があまりない場合骨折舩線が分かりにくい骨折です。肘の腫脹があれば注意して観察する必要があります。又fat pad signを側面像で見付ければ何らかの骨折があると考えたほうが良い。前後像より側面像や斜位像のほうが分かりやすいこともある。

 

分類

 1型:不完全骨折

 2型:転位のない完全骨折

 3型:完全骨折で最初より転位あり

 

治療方針

 2-3ミリの転位以下であれば手術をしないで外固定とする文献が多いが、1-2ミリで経皮的固定、3ミリ以上の回旋転位で観血的整復という人もいる。

最初は転位がなくても1週から10日で転位が急に増大することがあるのでこのような場合はすぐ観血的手術が必要である。

家族には小児で最も手術が行われている骨折であり、最初保存的治療を行っても手術が必要となること、骨癒合が得られても軽度の形態学的変形が残る、運動開始後しばらく運動制限が続くことがあることを説明する必要がある。

 

保存的治療

転位がないか軽度のものは肘90度屈曲委で前腕を買いないい~中間位でギプス固定する。器官は4~6週が必要である。外側の化骨形成がある程度しっかり見られれば運動療法を開始する。

 

観血的治療

 k-wire固定、tennsion band wiring固定などがある。

偽関節を形成したものでも骨癒合を得るための手術が適応される。