環軸椎回旋位固定

 この疾患の文献を提示します。

 

 

はじめに
 環軸椎回旋位固定は環軸関節が回旋変形した 位置で固定され有痛性斜頚を呈する疾患であり, 1977年Fieldingらにより提唱された[1]。好発年 齢は小児から学童期であり,軽微な外傷や上気道 感染,口腔・咽頭の手術などを契機に発症すると されている。斜頚位は装具や牽引により比較的容 易に整復されることが多いが,中には再発を繰り 返したり,整復不能なものがある。
環軸椎回旋位固定の病態
 環軸関節が回旋変形した位置で固定され,斜 頚位を呈している状態を環軸椎回旋位固定(Atlantoaxial rotatory fixation,以下AARF)と呼称された。
 
要  旨
 斜頚位は牽引や装具などの保存療法により比較的容易に整復されることが多いが,症例に よっては再発を繰り返したり,整復不能なものがあり,これらに対しては厳重な保存療法や手術 療法を要した。  保存療法が行われた476例中,87例(18.3%)で斜頚位の再発を認めていた。また,保存療法 に抵抗性で最終的に手術療法が施行されたものが20例(4.2%)あった。環軸関節面の変形が時 間経過に伴い進行し,これが易再発性の原因となることが示唆された。発症後1ヶ月未満に治療 を開始した急性例では保存療法によく反応し,手術療法を必要とした症例がほとんどなかったの に対し,治療開始が遷延した亜急性例・慢性例では手術療法を要した症例が多くみられた。  手術療法としては大多数の例で整復位での後方固定術が施行されていた。しかし骨性癒合など により整復が困難な例に対しては前方からの解離,整復術が必要となるため,前方法または前後 合併手術が選択されていた。

 

 

病態を表すものとしてrotatory subluxation, rotatory dislocationなどの名称が現在までに使 われている。また,発生原因から呼称された炎 症性斜頚,Grisel症候群といった疾患・症候群 はAARFに含まれる。以前より軽症例は本疾患 に含めないとする報告がなされており,平井ら [3]は原因のいかんにかかわらず斜頚位が可逆的 で容易に整復されるものはAtlantoaxial rotatory displacementと称し,AARFとは区別した。彼 らは,AARFとは斜頚位が難治となったもので, Atlantoaxial rotatory displacementが進行し環軸 関節周囲組織が拘縮したもの,または何らかの原 因で環軸関節がlockした状態で拘縮が完成した ものと定義した。Hicaziら[4]は従来AARFと定 義されているもののうち,発症早期例では他動回 旋角度は健常コントロールと変わらないと述べて おり,Pangら[5,6]はCTによる動態分析で環軸 椎の可動性が減少しているものをAARFと定義 している。  

 

 

原因は不明のことが多いが,軽微な外傷[7]や 上気道感染,口腔・咽頭の手術,長時間の耳疾患 の手術[8]などを契機に発症するとされている。  

病因は関節内因子説と関節外因子説に大別さ れる。関節内因子説としてはWittek [9]による 環軸関節間の滑液関節に滑液貯留が生じ,これ により靭帯が伸展して脱臼が生じるとする説, Wortzman and Dewar [2]の関節包の断裂や嵌入 impingementによるとする説,Couttsら[10]の 炎症によるsynovial fringsが整復を障害すると いった説,大田ら[11]の関節包・靭帯の弛緩によ るとする説などがある。本邦ではHosonoら[12] が関節造影により関節包の破綻を証明し本疾患の メカニズムを検証している。関節外因子説として は,Griselら[13]の鼻咽頭炎に続発する頚部周囲 筋の過緊張によるとする説,Watson-Jonesら[14] の炎症に伴い靭帯付着部の骨の脱灰が進行し,こ れにより生じた靭帯の弛緩が原因であるとする 説,川部ら[15,16]の初期の周辺軟部組織の緊張 による固定,慢性期における弛緩とそれ伴う再発 性が原因であるとする説などがある。Fieldingら [1]は初期には関節包の腫脹,滑膜・筋のれん縮 が起こり,長い期間持続することによって靭帯や 関節包が拘縮し回旋位で固定されるとし,関節内外双方に原因があると報告している。  

 

 本疾患は小児に好発する。その理由として①小 児は環軸関節の骨性支持が少なく,②関節包が緩 く回旋角度が大きく,③関節面の水平化が強く, ④環軸関節のなかで軟部組織の占める役割が大き く炎症が容易に波及しやすいことが考えられてい る[17-20]。  外見上,本症はcock robin positionと呼ばれる 特徴的な斜頚位(図1)を認める。他動的運動を 行うと環軸関節以外の椎間で動くことが可能なた め運動制限は一見ないようにも見えるが,手を 離すと元に戻るのが特徴で弾発性固定といわれ る[17]。運動に際し,初期には疼痛が見られる が,慢性化すると痛みは軽減あるいは消失する [21]。画像所見としては頚椎単純X線側面像にお ける環椎歯突起間距離(atlas-dens interval,以 下ADI)の増大の有無,開口位正面像における 外側環軸関節裂隙の左右差,歯突起と環椎lateral massとの距離の左右対称性,環椎lateral mass の横径の変化を検討する[21]。環椎高位におけ る有効脊柱管前後径の狭小化が単純X線上見ら れても,回旋性のずれのため側方には十分な脊 髄のスペースがあり神経麻痺はほとんど見られ ない[1,21,22]。疼痛のため患児の協力が得られ ず開口位正面像はうまく撮れないことも多いた め,診断には単純X線に加えCTが非常に有用で ある[23-25]。加えて3D-CTや冠状面,矢状面の 再構築画像の有用性が報告されている[19,26-29]。
図1  環軸椎回旋位固定に特徴的な斜頚位,い わゆるcock robin position.
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MRIは靭帯の損傷を把握する上で有用となる [30-32]。  本疾患の分類としてADIで4型に分類した Fieldingによる分類[1]が用いられることが多い。 Fielding分類TypeⅠはADIが3㎜以下のもの, TypeⅡは3-5㎜,TypeⅢは5㎜以上,TypeⅣ は後方転位となっている。詳細は原著に譲る。近 年,Fielding分類以外の新しい分類が提唱されて いる。Pangら[5,6]は環軸椎の回旋角度に注目し た分類を行い,Ishiiら[33]は環軸関節の破壊の程 度,CT冠状断における環軸椎のなす角度を指標 とした分類を提唱している。どちらも治療予後と の関係性を報告しており,治療方針決定のための 一助となると考えられる。
当科における治療経験
 軽症例の大多数は近隣の関連病院にて治療が行 われており,難治例に限って大学病院にて手術療 法が行われることが通例である。
2007年3月の10年間において3例の整復困難例に 対して観血的治療が行われた[34-36] (図2)。

 

保存療法
 本症は診断確定後まず保存療法が選択されるこ とが一般的である。保存療法は装具療法と牽引療 法に大別される。

 平井ら[3]は症例によっては筋 のスパスムをとるだけで治癒するものが多いと 装具療法の有効性を述べている。

一方,大田ら [11],片山ら[17]は装具療法のみでは不十分と初 期からの持続牽引療法を勧めている。康野ら[37] は外傷の程度で装具療法か牽引療法かを決定して いる。

 またRocheら[31],岡田ら[38]は発症から 診断までの期間により治療法を決定している。発 症から1週以内のものについては装具療法を行っ ており,1週以上のものには症例に応じて装具療 法か牽引療法を施行している。

 

 多くの施設でFielding分類と症状で治療法を 選択している。

基本的にFielding分類TypeⅠ
図2 症例.7歳女児.手術療法施行例.  斜頚位発症から6ヶ月経って近医を初診,環軸椎回旋位固定慢性例の疑いで当科に紹介となった。頚椎単 純X線開口位および側面像では環軸椎の異常が疑われるが,確定診断は困難である (A, B)。CT3次元再構 築画像にて環軸椎の前方亜脱臼および側方傾斜を認め (C-E),Fielding分類typeⅢの環軸椎回旋位固定と診 断された。頭蓋直達牽引を試みると整復位は得られるも,牽引を中止すると容易に斜頚位に戻り,易再発性 であった。右側の環軸関節面の変形が整復位の保持を困難にし,再発を繰り返す一原因と考えられた(E-G)。 全身麻酔下に整復位でのMagerl & McGraw法による環軸椎固定術が行われた(H)。回旋変形は整復され, 術後CTでは環軸関節も良好な位置で固定されていた(I-K)。術後3年8ヶ月経過した時点で,整復位での 骨癒合は完成し,頚椎の可動域およびアラインメントはほぼ正常である(L, M)。  

塩川 ら[42]はFielding分類TypeⅠの発症早期例2例 に静脈麻酔下徒手整復を行い良好な成績を得たと 報告している。

 

TypeⅡであれば外来通院による装具療法または 入院による持続牽引療法が選択される。

 

山田ら [40]はTypeⅠについては装具療法の選択もあり 得るが,TypeⅡでは牽引療法が有効であると報 告している。装具療法はポリネックカラーやボー ル紙等で作成した手製カラーで行うことが多い。

Fielding分類TypeⅠ,TypeⅡにおいて症状が強 い例・装具療法施行後1週間程度経過しても改善 が見られない症例には入院の上,牽引療法を行う [20]。

 

 発症から時間の経っていない初回治療の牽 引方法としては最近では直達牽引よりもGlison牽 引などの介達牽引を施行する施設が多い。また安 全面から幼児以下では砂のう固定のみ行うという 報告も見られる[41]。牽引後斜頚位が改善したこ とを確認したら続けて装具療法を行う。

 

伊藤ら [41]は靭帯損傷の有無で後療法を別けている。靭 帯損傷が疑われる症例は回旋制限消失後3週臥 床,4週フィラデルフィアカラー,4週ポリネッ クを施行している。靭帯損傷の可能性が低い症例 では回旋制限消失後,1週で離床,ポリネック3 週としている。斜頚位は通常装具療法,牽引療法 とも1週以内に改善することが多い。伊藤ら[41] は疼痛が消失し,頚椎の可動域が正常に復するま でに要した期間は1~27日,平均5.3日,装具療 法では平均4.4日,牽引療法では5.6日と述べてい る。TypeⅢでははじめから牽引療法の適応とな ることが多い。整復が得られないときは手術療法 を考慮する。

 

TypeⅣでは歯突起形成不全や歯突 起骨折のような歯突起異常があるため,頭蓋牽引 を試み,その後手術療法を考慮する。  装具療法,牽引療法を施行する前に早期に麻酔 下に徒手整復を行った報告がある[38,42]。
回旋位固定の再発,斜頚位の遺残
 本疾患では治療が適切になされないと回旋固定 が再発し,難治例に移行する。渉猟し得た文献 (症例報告を除く)における保存療法の内訳を示 す(表1)。全476例中,治療後に斜頚位が再発し た例は87例(18.3%),最終的に手術療法を要し
たものは20例(4.2%)であった。

 

田中ら[43]は 頚椎カラー群とGlisson牽引群を比較し,牽引群 のほうが有意に再発は少なかったとしている。再 発までの期間として伊藤ら[41]は再発5例中1ヶ 月1例,約1年2例,3年以上2例と報告してい る。同様に平川ら[44]は1.5ヶ月~3年と報告し ており,いずれの報告も再発時期について明らか な傾向はない。再発を繰り返す例では頭蓋直達牽 引が必要である[20]。Subachら[45]は再発7例 中6例に手術療法を要したと報告している。  遺残変形につき詳細に報告した文献は少ない。 Pangら[46]は29例の報告中8例に遺残変形を生 じたと報告している。Miharaら[47]は35例の保 存例につき画像検討を行った。単純X線側面像に おける環軸椎のなす角度により3群に分けたとこ ろ,20度以上の群では斜頚位が残存した症例が多 かったと述べている。三原ら[48]は遺残斜頚や症 状再発の指標としてX線正面像における環軸関 節の左右非対称の程度についても検討している。

 

慢性例
 初診が遅れる等の理由で治療開始が遷延した慢 性例は治療に抵抗性である。治療開始時期別に最 終治療方法をまとめた(表2)。非観血的徒手整 復術は手術療法に含まずその他に分類した。斜頚 位の発症から1ヶ月未満に治療が開始されたもの を急性例,1ヶ月以上3ヶ月未満を亜急性例,3ヶ 月以上経ってから治療が開始されたものを慢性例 とした。急性例では保存療法によく反応し,手術 療法を必要とした症例がほとんどないのに対し, 亜急性例・慢性例では手術療法を要した症例が多 くみられた。Phillipsら[49]は発症から入院まで の期間が1ヶ月以上の群では有意に保存治療の成 功率が低いと述べている。手術療法は侵襲的であ ることから,発症から3ヶ月以内の症例ではまず
表1 保存療法の内訳 症例数 再発例 (%)手術例 (%) 装具療法 93 11 (11.8%) 2 (2.2%) 牽引療法 377 76 (20.6%) 18 (4.8%) 非観血的徒手整復 6 0 ( 0 %) 0 (0 %) 計 476 87 (18.3%) 20 (4.2%)
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非観血的治療を試みるべき[8]である。しかし, 回旋固定してから3ヶ月以上経過した症例では, 整復が容易ではなく[18],頭蓋直達牽引が必要と される例[18],さらには,観血的治療の適応とな る例もある[50,51]。Rocheら[31]は治療方針と して斜頚位を呈してから治療開始まで1ヶ月以上 かかったものには頭蓋牽引を,3ヶ月以上かかっ ているものには手術を提唱している。Govender ら[52]は発症16週-37週経過した慢性例8例に牽 引療法を施行するも7例は手術療法に至ったと報 告している。Schwarzら[53]は発症から3ヶ月 以上経過した4例の治療経験(うち2例は手術) を報告している。他にも早期治療開始の重要性 [54-57],治療開始までの期間 [38,42,45,58-61]に 言及した文献は多く認められる。なお,渉猟し得 た文献中,手術療法が施行された症例で発症から の期間が最短のものは1ヶ月以内(4歳,保存療 法抵抗例) [51],最長のものは3年であり,側方 進入による整復処置と術後halo vestにて整復位 を得たと報告されている[51]。他方,星野ら[62] は発症後8ヶ月の慢性例に対し全身麻酔下に非観 血的徒手整復を行い整復位が得られたとして,非 観血的徒手整復も有効な治療法の1つと述べてい る。  慢性例が治療抵抗性となる原因として線維性 瘢痕組織[46],環軸椎椎間関節の骨癒合[63,64], 環軸椎椎間関節の変形・環椎の側方傾斜[33]等が 報告されている。
手術療法
 小林ら[22]は2回以上再発するか,整復不能 なものを手術適応としている。Parikhら[65]は 3ヶ月以上の慢性経過例,ADI 4㎜以上の前方 転位例を手術適応としている。生子ら[66]は慢性 例・椎骨動脈走行異常例における手術療法選択例
を報告している。手術療法としては前方法,後方 法および前後合併法に大別される[67]。渉猟し得 た文献における手術法を表3に示す。後方固定の 主な方法としてMcGraw法[68],Brooks法[69], Gallie法,これらとMagerl法の組み合わせ,各 種screwによる環軸椎固定,後頭骨頚椎固定術が ある。なお側方進入による観血的整復術は前方法 に含めた。  前方法の目的は回旋位の整復であり,報告の多 くは経口進入をとっている。Govenderら[52]は 経口的前方解離を加えた7例を報告している。し かし身体の小さな小児例で経口的に椎間関節操 作を加えるのは容易ではなく,感染症合併のリス クも増加する。このリスクを回避するため側方 進入にて固定位の解離を行うとする報告がある [35,36,51,64]。  後方法の主目的は固定である。固定術として は環軸椎固定術が一般には行われている[70-72]。 Belenら[73]は後頭骨-軸椎固定を施行した症例 を報告している。かつてFieldingら[1]は脊髄症 状増悪や椎骨動脈損傷などの合併症を危惧し,脱 臼位のままの後方固定を推奨していた。しかし回 旋位のまま固定すれば頭部を中間位に保持しよう と下位頚椎が代償性に回旋し早期の変性を引き起 こす可能性があり[25],また後頭環椎関節の代償 性亜脱臼の報告がある[74]。現在では整復位にて 固定することが多い。すなわち,術前頭蓋牽引等 により整復可否の評価を行い,整復自体は可能と
表2 治療開始時期別にみた最終治療法の内訳
  装具療法 (%) 牽引療法 (%) 手術療法 (%) 非観血的徒手整 復・その他(%) 計 急性例 (~1ヶ月) 41 (25.6%) 112 (70.0%) 1 ( 0.6%) 6 ( 3.8%) 160 亜急性例 (1~3ヶ月) 0 ( 0%) 16 (50.0%) 10 (31.3%) 6 (18.7%) 32 慢性例 (3ヶ月~) 0 ( 0%) 10 (10.9%) 72 (78.2%) 10 (10.9%) 92
表3 手術療法の内訳 手術法 症例数
後方法 (後方固定術) 54 前後合併手術 (前方法による整復術+後方固 定術) 31 前方法 (前方法による整復術+外固定) 14 その他 2
 
判断できた症例については後方法のみを,整復が 困難であると予想される症例については前方法に よる観血的整復術の併用を考慮する[75]。Kato ら[76]はポリエチレンテープを用いた後方からの 整復例を報告している。なお今回渉猟し得た範囲 では術中整復操作による合併症を報告している文 献は認めなかった。  術後後療法としては,前方法,前後合併術後は halo vestなどの比較的強固な外固定を2~3ヶ 月,後方固定術後は6~8週のカラー固定とする 施設が多い[22,34-36,51,67,74,75]。  固定術の合併症として頚椎のアライメント,可 動域,隣接椎,成長に及ぼす影響がそれぞれ危惧 される。Parisiniら[77]は術直後の後弯変形は長 期的には矯正されたとし,Richardら[78]は6歳 以下の小児では環軸椎固定後の脊柱変形はきたさ ずアライメント異常は生じないとしている。残存 した回旋運動制限に関しては,小児では時間経過 により下位頚椎の代償によって日常生活ではほと んど問題とならないとされている[18,65]。隣接 椎に対する影響としてFieldingら[1]は小児環軸 椎間後方固定では隣接椎との癒合が起きやすいと 指摘し,後頭骨とC3を展開しないように勧めて いるが,実際の手技上は困難なことが多い。成長 に関しては,頚椎固定術後の長期経過報告は少な い。小林ら[22]によると長径成長は固定術により 抑制される。矢状径成長については明確な結論は 得られていない。
結  語
1 .環軸椎回旋位固定atlantoaxial rotatory fixationについて,治療法を中心に文献的考察を 行った。 2 .保存療法が行われた症例のうち18.3%で斜頚 位が再発した。保存療法に抵抗性で最終的に手 術療法に至ったものは4.2%あった。 3 .発症から治療開始までの時間経過に伴い側方 の環軸関節面の変形が進み,次第に保存療法に 抵抗性となることが推察された。 4 .発症後1ヶ月未満に治療を開始した急性例で は保存療法によく反応し,手術療法を必要とし た症例がほとんどないのに対し,1ヶ月以上経
過して治療が開始された亜急性例・慢性例では 手術療法を要した症例が多くみられた。 5 .治療期間の短縮および観血的治療の回避に は,早期診断と早期治療開始が重要な鍵になる と考えられた