肉離れ

・伸長時痛
・収縮時痛(力を入れた時)
・圧痛  (患部を押した時)
・損傷部の陥凹(中等度~重度の損傷)
・内出血
ハムストリング  SLRで  軽傷 70度以上可能
              中等症30~70度
              重傷  30度以下
大腿四頭筋四 うつ伏せで  軽傷 90度以上膝屈曲可能 
              中等症 45度から90度
              重症45度以下
  
ふくらはぎ  立った状態で自分で行うもしくは寝た状態で足首を伸ばす
              軽傷  ストレッチが余りいたく無くできる
              中等症 膝をまげていればストレッチの痛みが軽くなる
              重症  つま先立ち不可能
                  膝を曲げてストレッチしても痛む
    
重症度分類

MRI画像に基づいて損傷部位を明らかにし重症度分類を行います。

Ⅰ型(軽傷):腱・筋膜に損傷がなく、筋肉内に出血を認める
Ⅱ型(中等症):筋腱移行部の損傷を認めるが、完全断裂・付着部の裂離を認めない
Ⅲ型(重症):筋腱の短縮を伴う腱の完全断裂または付着部裂離

特に重症度は、治療やリハビリテーションの進行や競技復帰までの期間に大きく関わるものです。そのため、MRIやエコーなどの画像診断などを用いて性格に判定していく必要があります。

肉離れの治療は?

肉離れの治療法は保存療法が選択されることが多いですが、腱付着部での断裂や裂離損傷では手術療法が選択されることもあります。

 

受傷直後から48時間は重症度によらずPRICE療法を行いリハビリテーションに繋げます。

・Protection(保護)
・Rest(安静)
・Ice(冷却)
・Compression(圧迫)
・Elevation(挙上)

肉離れ後のリハビリテーションは?

今回は肉離れに多いハムストリングの損傷を例にリハビリテーションの流れを紹介します。

メディカルリハビリテーション

PRICE処置を行いながら保護を行います。アイシングと圧迫は出来る限り繰り返し実施して、靴を脱ぐ、床のものを拾うなど日常生活で痛みを誘発しやすい動作にも注意が必要です。

ジョギング開始までは、伸長時痛や収縮時痛、トレーニング後の疼痛増悪がない事を確認しながら、ストレッチと筋力トレーニングを行っていきます。

アスレティックリハビリテーション

ハムストリングの伸長時痛が消失したら、速歩やジョギングを開始します。さらに抵抗痛が消失したら加速走を開始します。加速走の実施後や翌日に疼痛の増加や筋出力の低下などの所見を確認し、強度や走行距離を徐々に増やしていきます。

競技復帰の基準は、以下の項目が挙げられます。

1)圧痛がない 
2)筋力や柔軟性のテストで疼痛がない 
3)スポーツ動作中の疼痛がない 
5)左右で柔軟性に差がない 
6)心理的な不安がない 「受傷後からの期間で復帰時期を考える」のではなく、「パフォーマンスが基準に達しているか?」で復帰時期を検討するべきという考え方です。
闇雲に競技復帰するのではなく、身体機能がベストな状態で復帰することが、再発予防にも必要であると考えます。

再発予防に向けてのトレーニング

柔軟性の低下・筋力の不均衡・疲労の蓄積などが肉離れの危険因子として挙げられます。個々の身体機能や特徴に応じて、ストレッチや筋力トレーニング、ウォーミングアップなどをプランニングし日々のトレーニングから積み重ねて行う必要があります。