突き指とは外力によって指が外傷を受けた場合を言い、その衝撃で関節がねじれたり、過伸展と言って、過度に伸ばされたりして生じる捻挫のことです。指の関節の捻挫、打撲、靭帯損傷、骨折などをすべて含みます。

 

突き指の症状とは

1捻挫(ねんざ)

捻挫とは関節の構成体(靭帯、関節包、腱)を言います。そしてその損傷が内出血や患部の腫れとして現れます。

1度:靭帯や関節包などが一時的に緩んだ状態

2度:靭帯や腱の一部分が切れている状態

3度:靭帯等が完全に切れてしまい関節が安定しなくなった状態

靭帯を損傷している場合は固定が必要です。場合によっては手術が必要な場合もあります。素人では判断が難しいので、病院で検査をしましょう。

2打撲(だぼく)打撲とは強い外力が加わって 損傷、内出血が起こる事を指します。

この場合長くても2~3日で痛みは引いていきます。

治らない時は骨折や靭帯損傷を疑いましょう。

治療法

まずはアイシングが必要です

ただつき指だからと甘く見ないで、できるだけ早く医師に相談するようにしましょう。

 

3骨折

症状

指の痛みで曲げられない。腫れが強い、すぐ腫れたときには骨折を疑います。

ただ骨折していても指は曲げられる事の方が多く、曲げられるからと油断はできません。

指を曲げてみて他の指と同じ方向に曲げられる場合は骨折の場合でも軽いものが考えられます。

痛みの起こり方・腫れ方

そして突き指(軽傷)と骨折との違いは、痛みと腫れの程度と継続時間です。打撲、軽い靭帯損傷の場合は数日から1週間で治癒します。しかし骨折の場合は何週間に渡り症状が現れ、正しい処置を行わないと痛みが治まらない場合や後遺症を残す危険性がありますので注意しましょう。

腫れ方としては、最初は肌の色と同じか内出血が起こると赤みを帯びてきます。そしてその後に紫→赤黒くなってきます。時間がたってくると指の付け根や手根部にまで紫色になる事もあります。

治療法

すぐに冷やす事が重要

袋にを沢山つめて15分~30分程患部にあてて冷やします。

そのあとはできれば添え木をして病院へ行き、やはりレントゲン等で確認する必要があります。

まずは腫れの状況(色や大きさ)、痛みの現れ方等で判断し、痛みや腫れが引かない場合はすぐに病院で検査するようにしましょう。

 

突き指の種類、ついて

(1)爪下血腫

指をはさんだり、車のドアを閉めたときによく見られるけがです。爪の下に血が溜まり、爪が青黒く変色し痛みが激痛となることが多いです特に夜間に強くなります。末節骨といって、爪の下の骨が骨折していることがよくあります。しかし、爪さえしっかりとしていれば、爪が添え木代わりになってくれますので、保護程度の固定で充分なことが多いです。痛み強い時には爪に穴をあけて血を抜くのですが、この手技はあまり痛くないので整形外科医に相談してください。

 
 

2)槌指(つちゆび、マレットフィンガー)

突き指後、一番先の関節が伸びないものにはこのケガを考える必要があります。一番先の関節がまがってしまうものです。

骨折を伴うもの(骨性マレット)と、

伸筋腱が切れてしまうもの(腱性マレット)とがあります。

そのまま放置すると骨片がつかなかったり(偽関節)、曲がったままになり指が伸びなくなってしまいます。

骨折を伴うもので、適合が悪い場合には手術が必要です。局所麻酔で行えます。

骨折を伴わないものでは固定を行いますが腱はひっつくの難しいため治癒率が低くなります。

骨よりも腱の方がくっつきにくいからです。約6週間の固定が必要です。
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(3)掌側板損傷

突き指で指の第2関節(PIP関節)に無理な伸展力がかかると起りやすいのがこの損傷です。放置されるとなかなか腫れがひかないばかりか、関節の不安定性を残してしまうおそれもあります。早期に適切に診断して、指を曲げたポジションでシーネ固定をすれば問題なく治癒します。

 

これも比較的多いケガです。掌側板といいPIP関節の手のひら側についている軟骨の損傷です。指が背側に過伸展されたときの突き指で生じることが多いです。

骨折を伴う場合と骨折を伴わない場合もあります。単なる突き指と思われて放置されやすいケガです。

 

(4)側副靭帯損傷

突き指で一番おこりやすい損傷です。関節が横にずれないように固定している靭帯で橈側、尺側と二本あります。PIP関節(2番目の関節)に多い損傷です。

特に1~4指の親指側の靭帯が完全断裂すると、ものをつまむときにぐらぐらするために痛みが生じるため手術を行うことがあります。。これも初期治療が大切になります。

 

 側副靭帯損傷の特殊型として、親指の付け根(MP関節)の人差し指側の靭帯(尺側側副靭帯)損傷があります。これはスキ-や-がストックをもって転倒することなどで起こりやすい。これは完全断裂すると、手術が必要になることがあります。

 

(5)骨端離解(骨端線損傷)

成長期の小児の場合、成長軟骨帯での離解を起こすことがあります。早期に正しく診断し、ずれがあれば整復を行なうことが必須です。正しい治療が行なわれず放置されると指が曲がって治ってしまうだけでなく、以後の成長が障害され変形の増悪も考えられますので注意が必要です。

 

(6)指骨骨折

通常は上記のような関節近傍のケガが多いのですが、関節ではないところに腫れと強い痛みがある場合には指の骨(指骨)の骨折を考える必要があります。子どもさんの場合には骨膜という膜がしっかりしているため、症状が出にくいことがありますが、ある程度痛みや腫れがあるときには整形外科を受診しましょう。

 

(7)MP関節の損傷

特殊な脱臼として、親指の付け根の関節(MP関節)の脱臼があります。これは外見上、それ程強い変形を来さず、曲がりにくくなると言った症状であることが多いため、脱臼と思われないことも多いものです。よく見ると関節が反った状態(過伸展)になっています。これは上に書いた掌側板という軟骨が関節内に陥入するため、関節が伸びた状態で固定されているもので、MP関節ロッキングと言われます。これは通常の脱臼のように引っ張るだけでは整復されません。押し込むようにする、特殊な整復方法でないと整復できません。また、腫れている場合には上記(4)番の側副靭帯損傷であることがあります。

(8)脱臼骨折・顆部骨折

時に脱臼骨折や顆部骨折という骨折を来すことがあります。これらは指のけがとしては重傷であり、後遺障害を残しやすく、できるだけ早期に適切な治療を行う必要があります。通常は手術が必要になります。後遺症として関節可動域制限を残すことも多いです。

 

(9)ジャージーフィンガー

ラグビーなどで指が相手のジャージーに指が引っかかったまま強く引っ張られることによって起こりやすい指の屈筋腱が断裂するケガです。指が引っ張られた後に指の末節骨が曲がらない場合子の損傷を考えます。薬指にもっとも多く指を屈曲した場合薬指がもっとも長くなるため、引っ掛かりやすくなるためと言われています。通常は手術が必要です。