アキレス腱付着部炎、アキレス腱骨化症

アキレス腱の痛みには、アキレス腱そのものに痛みが出るものと、アキレス腱が付着する踵骨の部分が炎症を起こし石灰化ひいては骨化する場合の2つに分かれます。
 アキレス腱付着部炎はアキレス腱の滑液包が炎症化し、痛みなどの症状を起す障害です。

 

アキレス腱が痛み、レントゲンでは骨が飛び出た様に写る病気があります。

これをアキレス腱骨化症といいます。付着部に繰り返しストレスがかかり続けると、アキレス腱には微細な損傷が生じますがこの部分は損傷に対する修復能力が低いとされています。
繰り返す牽引ストレスがかかると、腱の付着部では腱の変性が起こると考えられています。
これが腱付着部での炎症がおこる病態でありその部分が治ろうとしたときに石灰が沈着します。

10代~30歳代の運動選手や、ハイヒールを常用する女性に多く見られます。使いすぎが原因で起こりますが、骨の形の異常で発生することもあります。

 

症状

主な症状はアキレス腱付着部の痛みと腫れです。

朝起きるときに痛いことが多いようです。痛みは運動時に強くなり、進行すると腫れや痛みが広がっていきます。

更に進むと滑液包が肥大化し硬化していきます。ここまでくると、強い痛みが伴うため歩行や階段の昇り降りも難しくなります。アキレス腱付着部炎は日常生活に支障を来たすこともある障害です。
初期段階で治療が望ましい疾患です。

原因

アキレス腱とかかとの骨の間には摩擦と衝撃を防ぐクッションが存在します。
これを「滑液包」といい、アキレス腱、踵骨の両側に存在しています。

激しく運動するとアキレス腱とかかとに強い摩擦が加わるため、滑液包の摩擦も強くなります。
これが繰り返されることで炎症を起こしてしまうのです。

先天的にかかとの骨が飛び出している人はアキレス腱付着部炎を起しやすくなります。
 主な原因は運動のしすぎ、オーバーワークが原因です。

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 検査

 アキレス腱付着部炎かを見極めるには画像検査が有効です。
レントゲンで形状を確認し、MRIで滑液包とアキレス腱の腫れや摩擦の程度を確認するのです。

治療法

 

軽症の場合は特別な治療を必要としません。運動後に炎症部分をアイシングすることで対処しします。これに運動前後のストレッチを加えるとより効果的です。

 

 アキレス腱につながる下腿三頭筋は、腓腹筋とヒラメ筋から成るので、ストレッチは2種類行います。
 腓腹筋を伸ばすには、膝を伸ばして足首を背屈(爪先を上げる)します。

 ヒラメ筋を伸ばすには、膝を曲げて足首を背屈します。

 

 

重症:非ステロイド性抗炎症薬を投与し、専用のシューズクッションで負担を軽減する方法が有効です。

また炎症を抑える薬と局麻剤を混ぜて局所注射する方法もあります。

 

アキレス腱付着部炎の予防には、下腿三頭筋のストレッチと筋肉トレーニングが効果を発揮します。
 

 

アキレス腱骨化症は、アキレス腱付着部での炎症が原因となり、痛みが生じるので、対処法としては、ヒールパッドを処方します。

 

 http://www.footcare-goods.com/tukiagebousi_001.htm⇒クリックするとヒ-ルパッドの種類がみえます。参考にしてください

 

 

アキレス腱に必要以上のストレスをかけないためにも、腓腹筋ヒラメ筋のストレッチが必要です。温熱→ストレッチ→筋力訓練→ストレッチ→アイシングを積極的に行います。

 

リハビリとしては理学療法とストレッチを中心に行っていきます。