手指のしびれ

手根管症候群や,肘管症候群、脳卒中、糖尿病、首の病気などが考えられます

脳卒中
体半分がしびれ、知覚障害、運動障害が起こります。ろれつが曲がらない、顔がゆがむ口が下垂するなどがあります。

糖尿病
初期には症状はありません。
進行すると、末梢神経に障害が出て左右の手にしびれが現れるのが特徴です。
手以外に足がしびれることも多くあります。
■首の病気


頚椎神経性神経根症などが考えられます。

この場合首を伸ばしたり横に曲げたりすると手にしびれやピリッとした痛みが走ります。
 詳しくは頸椎症のところを参考にしてください。
 
手根管症候群
手首の手のひら側の真ん中に正中神経という神経が走っています

これは親指から人差し指,中指、環指の半分がしびれます。

 

両手の手首を90度におりまげて、胸の前で手の甲同士をくっつけた状態を1分間続けます。ファーレンテストといいます。

これで手がしびれてくれば陽性です。

環指の半分がしびれてくるというのが分かれば診断はほぼ確定的です。
手根管は手のひらの付け根にあり、骨と人体の間に囲まれたトンネルのようなものです。
手根管の中には9本の腱と正中神経が通っています。これが靭帯と下の骨でできているトンネル内で何らかの圧迫があった場合にしびれが起こります。

【圧迫の原因】
手の過度な使用による手根部の炎症や腫瘤(ガングリオンなど)、骨折などがあげられます。

 腱鞘炎や糖尿病による神経障害でも似たような症状が出ます。

 

 

肘部管症候群

小指と薬指の外側がしびれて感覚が低下したり、指を開いたり閉じたりする動作ができなくなります。

【原因】

肘の内側にある肘部管(骨や靭帯、筋肉の隙間にある神経の通り道)を通る尺骨神経が、何らかの原因で圧迫されたために伝達障害を起こし発症します。

 

肘の内側にある骨が小さいころの骨折などの影響で変形した場合、また骨棘が神経を圧迫した場合、筋肉に神経が入る場所で靭帯が厚くなって神経をしめた場合、できもので圧迫をした場合などがあります。
      床などになどに肘をついたまま寝るなど長時間圧迫されたことが原因で発症することもあります。

 

頚椎の病気が原因の神経障害の場合もあるため、専門医による診察が必要です。

 

甲状腺機能低下症

手足のしびれ、眠気、だるさ、全身倦怠などの症状があり、暑くても汗をかかなくなります。

甲状腺ホルモンの分泌が低下することによって起こります。

 

甲状腺ホルモンの分泌が低下する原因は、甲状腺の損傷や甲状腺ホルモンの分泌を促す刺激ホルモンの減少が考えられます。

 

★40歳代以降の女性が発症する例が多く、「更年期障害」と混同されやすい病気です。

 

胸郭出口症候群


腕神経叢(わんしんけいそう)という末梢神経が鎖骨下静脈や鎖骨下動脈と一緒に圧迫されて起こる病気です。

胸郭出口症候群を起こす原因はいくつかあります。

・前斜角筋と中斜角筋の間で圧迫がある → 斜角筋症候群
・第1肋骨と鎖骨の間で圧迫がある → 肋鎖症候群(ろくさしょうこうぐん)
・小胸筋に圧迫がある → 小胸筋症候群
・頸椎の肋骨によって圧迫がある →
頸肋症候群(けいろくしょうこうぐん)
※なで肩で首の長い20代の女性によく見られる症状です。

 

症状
・手と指にしびれ
・脱力感
・首・肩の痛み

神経が圧迫されると → しびれ・痛みが出る
動脈が圧迫されると → 手や指が青っぽい色(蒼白)に変わる
静脈が圧迫されると → 手や指が紫がかった青色に変わる
 電車の吊り革ににつかまるなどの動作ができなくなります。
治療
消炎鎮痛薬の内服
場合によっては手術の必要があります。

 

肩こりと手のしびれが同時に出る、または手や腕、指の色が変わるなどの症状が出たら病院での検査をおすすめします。
手術の必要性が出てくることや、他の疾患(肺の腫瘍や脊椎の病気)の疑いもあるからです。

手と足がしびれる場合

過性脳虚血発作・脳出血・脳腫瘍・多発性硬化症・ギラン・バレー症候群・糖尿病性ニューロパチー・脊髄空洞症・頸椎後縦靭帯骨化症・ビタミンB1欠乏症・甲状腺機能低下症・パニック障害・脳梗塞・うつ

秒など

 

低カルシウム血症

血液中のカルシウム濃度が低くなるとテタニ-が起きます。

テタニーとは手足におきるしびれのことで、軽症ではくちびるや舌、手指や足の感覚異常、重症になると手足のけいれんや、全身の筋肉痛、顔面筋のけいれんなどが特徴です。

テタニーの治療

カルシウムのサプリメントや食事の見直しで改善することが多いです。病院に行くと、カルシウム製剤を処方され、経口摂取する事が多いです。(ビタミンDはカルシウムを十分に摂取できている場合に有効です

グルコン酸カルシウム10~20mlをゆっくり静脈注射することで改善します。

クボステック徴候やトルソー徴候

テタニーではこのように症状がはっきり表れることもあれば、潜在性の場合もあります。潜在性テタニーを確認する方法として、トルソー徴候というものがあります

トルソー徴候とは、上腕を止血帯やマンシェットで圧をかけたときに、手が助産師手位を示す現象のことを言います。

 

その他の抹消性神経障害