• タナ障害
  • 膝の屈伸において次のような症状が出たときにはタナ障害を考えます。
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  • ひざのお皿の内側かつ下側がひっかかる感じがする。膝の皿のあたりに違和感や重苦しさを感じる

  スポーツの時、痛みが強くなる。スポーツ時などに、膝の皿の内側に痛みやひっかかり感がある→膝を曲    

  げると痛みが強くなる

 

  • 普通にしているとき、ひざの内側を押すと痛い。
  • 椅子から立ち上がる時、膝の屈伸運動をした時などに膝に何か膝のお皿の中にものが挟まるような感じがして「コキッ」といった音がすることもある

 

「タナ(棚)」とは

膝の関節の内部には関節の袋があり、その空間は滑膜ヒダという膜のような壁で仕切られています。3つの膜でできた関節包でおおわれています。膝蓋骨(膝の皿)と大腿骨(太ももの骨)の間のヒダは、物をのせる棚のように見えるため、タナと呼ばれています。
 一番内側の膜は、滑膜と言われ、この滑膜の一部がカ-テンのヒダのようにかたまりにになっています。

この滑膜ヒダを関節鏡で見ると、ちょうど棚(タナ)のようにみえるので、この名があります。

[滑膜ヒダの役割]

関節腔には膝の辷りをよくする関節液があります。
この水は、ひざの動きを円滑にするためにあるわけですが、滑膜ヒダは辷りをよくする主役になります

 

 

膝の屈伸で、このタナが膝蓋骨(膝の皿)と大腿骨の間に挟まり、大腿骨の顆部の部分とで摩擦を起こしてはれて炎症を起こし、痛みが出るものがタナ障害です。

「タナ障害」の画像検索結果膝の大腿骨と膝蓋骨の間で引っかかります。

 

膝を酷使したりで膝を強打したりすると症状が現れやすくなります。

体質的に滑膜ヒダが厚い、あるいは大きい人が、ひざを酷使したり、ひざを強く打ったりすると症状が出やすくなります。

特に太ももの筋肉が疲労していると、筋肉が緊張しているためタナの摩擦が強くなり症状が出やすくなります。

患者は男性よりも女性の割合が高く若い女性に多い傾向があります。。

 

 

原因

このタナ状の滑膜ヒダが、スポーツなどでの使い過ぎや、外傷によって、厚くなったり、裂けたりして、ひざの屈伸時に、膝蓋骨と大腿骨との間に挟まれて(インピンジメント)腫れや痛みがでてきます。

大腿アブの筋肉が固くなって柔軟性が悪くなっても、摩擦が強まることで症状が現れやすくなります。

 

 

 

診断

膝の内側の痛みや、膝を動かした時の音からタナ障害が疑われる場合、MRIの画像診断で調べます。
タナ障害を見つける簡易な方法として、膝の皿の内側に親指を当てた状態で膝の曲げ伸ばしをします。この時ポキという雑音がすればタナ障害の可能性が大きいです。

 

治療

<保存的治療>が中心になります

 

軽症の場合は、運動量を抑えたり、運動後に患部を冷やすアイシングや炎症を抑えるシップなどの消炎鎮痛剤を使用します。

また痛みのない範囲で、大腿四頭筋のストレッチング、筋肉の柔軟性をよくするように努めます。大抵の場合は激しい運動を控えて安静を保っていれば、徐々に炎症が治まって2ヶ月前後で治ります。

 

<外科的治療:手術>

 繰り返し痛みが生じたり、数か月にわたって痛みが引かない重症の場合などは、外科的治療が必要になります。
痛みがひどく、スポーツはもちろん、普段の歩行にも支障をきたすようになったら、炎症を抑える薬と麻酔剤を混ぜた注射をしたり、関節鏡下での手術でタナを切除することもあります。タナは切除してもあまり後遺症はありません。

 

 

 

 

◆予防

 

予防として有効なのは、膝周りの筋力を鍛えたり、ストレッチを行うことです。タナの摩擦が弱まり炎症が起きにくくなります。患部の冷えは炎症を引き起こしやすくなるため、常日頃から膝を冷やさないように注意しましょう。温熱療法やひざ用のサポーターなどの装着などで対応しましょう