腸脛靭帯炎

膝の痛みを引き起こす可能性のある障害や病気の一つに「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」があります。

症状

 

膝の外側に痛み
走っている時、走り終えた時、患部を指で押した時などにひざの外側に痛みが生じます。

 

初期:痛みのほかに膝の外側が緊張するようなきしむような違和感を感じます。ランニング後などに痛み  

   が現れ、休むと治まります。腸靭帯が大腿骨の外顆にすれることで生じます。

 

症状が進行:痛みは徐々に大きくなり、休んでもなかなか治まらなくなって慢性化します。重症化すると  

     痛みで膝の曲げ伸ばしが困難になり、膝を伸ばしたまま歩くといった状態になります。

 

痛みが発生するタイミングは、足を延ばそうとしたときです。ランニングなら地面を蹴った時になります。

 

<腸脛靭帯とは>
 大転子という大腿骨ののつけ根の場所の骨から、太ももの外側をとおり脛骨の外側に付着している筋肉から靭帯を言います。

腸脛靭帯に摩擦が起こり炎症が起きている状態が腸脛靭帯炎です。

腸脛靭帯炎はランニングを行う人に多い疾患です。
特O脚の人など、体重が膝の外側にかかるケースで発生しやすくなります。かかとの外側がすり減ったシューズの使用も、負担を増す要因となります。

原因

腸脛靭帯は、大腿骨(太ももの骨)の外側に位置し、膝を伸ばした時は大腿骨の前方に、曲げた時は後方に移動します。この移動の際に大腿骨外顆という骨の外側のでっぱり部分に靭帯ぶつかったりこすれたりします。膝の曲げ伸ばしをするたびにこすれて摩擦が生じるため、その回数が増えるほど炎症が発生しやすくなります。

炎症はまれに足のつけ根の大転子部分にも起こります。痛みが見られやすいのは階段の上りよりも下りの時がです。

 

腸脛靭帯に炎症が起こるメカニズム腸脛靭帯と骨の摩擦箇所

 

 

診断


膝を90度曲げた状態で大腿骨外顆膝(膝のすぐ上の外側出っ張り部分)を指で押しながら膝を伸ばします。この時に痛みが発生します。また膝の外側に捻髪感を蝕知することがあります。

 

治療

膝を使う運動を中止し、安静を保つことが基本です。
症状が軽度であれば、しばらく休養することで痛みは解消します。痛みが強い場合は、炎症を抑えるために患部を冷やすアイシングや低周波などを行ないます。聚富や軟膏タイプの消炎鎮痛薬の塗布も有効です。

ストレッチを行うことで回復を早めることができます。

 

医療機関では専用機器を使った温熱療法、電気・超音波・レーザー療法などがあります。

 

これらの保存的治療でも症状が改善されないケースはごくまれですが、その場合はステロイド注射や腸脛靭帯を一部切り取る手術が行われます。

 

予防

 

腸脛靭帯炎が起きる主要因は、膝の使いすぎ(オーバーユース)と柔軟性不足(ウォームアップ不足)です。自分の筋力・体力に見合った運動・トレーニングを行いましょう
度を超えた長時間・長距離のランニングなどは避ける必要があります。。
運動前のウォームアップと、運動後のクールダウンはしっかりと行います。

普段から筋力トレーニングと柔軟体操を習慣的に行って、大腿四頭筋や大腿二頭筋など膝に関係する筋肉の強化と柔軟性アップを図ることで予防や再発防止に役立ちます。
シューズやランニングコースの見直し、O脚の矯正も考える必要があります。