斜頚

  1. 斜頚とは、頭部が左側ないしは右側に傾いている状態を指す。
  1. 外傷や頚部周囲の軟部組織の炎症などによって一時的に斜頚位を呈している場合と、明らかな外傷の既往がなく慢性に斜頚位をとっている場合とがある。

 

生まれつき首が斜めに傾いている場合、筋性斜頚の疑いが有り、三大先天性疾患の一つです。

 

 

原因と病態

①先天性筋性斜頸

 典型的な右筋性斜頚

最も頻度が高いもので、後頭部と鎖骨・胸骨を繋ぐ胸鎖乳突筋という筋肉の拘縮で生じる斜頸です。
典型的な形は、患側と反対側に顔を向け、同側に頚が傾く形です。

また、患側の胸鎖乳突筋には、筋肉のしこりを触れますが、これは生後2~3週でもっとも大きくなり、その後は徐々に自然と小さくなっていきます。
1才半までに8~9割は自然治癒が見込まれます。

②骨性斜頸

生まれつき頚椎や胸椎に奇形があり、そのために首が傾きます。

③炎症性斜頸

中耳炎や扁桃炎などの炎症後に、環椎(第一頚椎)と軸椎(第二頚椎)の並び方に異常を生じ、首が傾きます。 このまま固定してしまう可能性もあり、早めの整形外科受診が必要です。

④眼性斜頸

眼の運動をする筋肉の異常が原因で首を傾けます。 テレビなどに興味を示す6か月以後に気づかれることが多く、何かを注視すると首の傾きが大きくなります。

  1. 筋性斜頚では、1歳以降になって頚部の腫瘤が消失した後でも胸鎖乳突筋の短縮による可動域制限が残っている場合には、手術的な治療を要する可能性が高く、専門医への紹介を考慮すべきである。一般に、手術は3歳以降に行われることが多い。
  1. 骨性斜頚で、脊柱の変形が強い、ないしは脊柱管の狭小化を認める場合には専門医へ紹介すべきである。
  1. 眼性斜頚が疑われる場合には、眼科医による評価が必要である。

 

 

 

診断

①は生後直後に気づかれることが多く、②・③はX線(レントゲン)撮影、特に③は問診による情報が大事ですので、いつから首が傾いたかを確認します。また口をあけたまま撮影する開口位でのX線や、CT検査を行います。
④は①②③を鑑別した上で、診察上疑わしい場合は眼科受診となります。

 

予防と治療

①筋性斜頸

「向き癖」の改善として、呼びかけやテレビなどの刺激を顔が向いている反対側から与えるようにします。 1才から1歳半までの間に改善が見られない場合のみ手術や装具による治療を行います。

②骨性斜頸

成長に伴い、何らかの症状や障害が生じた場合に治療を行います。治療は、手術的治療となります。

③炎症性斜頸

頚椎カラーによる頸部の安静や、消炎剤の内服、必要に応じて入院の上頚の牽引を行います。