小林整形外科は宇部市厚南地区に存在し、場所は宇部駅より約50メ-トルのところにあります。

骨折、捻挫、打撲など外傷をはじめとして骨関節疾患、腰痛、膝痛、50肩、各種神経障害,筋、靭帯、リウマチ疾患、小児の運動器疾患、また骨粗鬆症などあらゆる整形外科的疾患に対して、診察から診断、治療まで患者さんに一番と思われる方法を選択して診療を行っています。地域のかかりつけ医として信頼されるよう、懇切丁寧な説明治療を心がけています。

 患者さんが温かみを感じられるような診療を目指してまいります。

 

 

診療時間

 

 

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8時45 分~12時

  

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14 時~18時

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第4土曜のみ休診

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●は診察 ×は休診です。木曜午後、 日曜、祝日は休診します。

                          ● 土曜日は原則的には、午前、午後とも診察していますが第4土曜日の午後のみ休診。

 

腰椎分離症

 

発育期のオーバートレーニングによる腰椎分離症について説明していきます

腰椎分離症とは、スポーツなどの激しい運動によって繰り返し腰の骨(腰椎)に負担がかかり、腰椎の上関節突起に疲労骨折を起すのが原因です。

骨折は第5腰椎に多くみられます。

日本人全体では5%、スポーツ選手では10~30%とスポーツ選手に多く、またスポーツをしている10~17歳、中学生や高校生に多く発症します。

 

腰椎分離が起こり、腰椎が不安定な状態を放っておくと、加齢とともに徐々に分離した椎体が前方へすべっていく「腰椎分離すべり症」に移行することがあります。これは、腰椎分離症になった人の約10~20%に見られると言います。

こうなると椎体と椎弓の間にある脊髄を入れるスぺ-スが狭くなり、その中を通っている神経が圧迫されてさまざまな症状が引き起こされることがあります。激しい痛みはありませんが、長く歩いたり、立ちっぱなしなど、長時間同じ姿勢を続けると、神経の圧迫が強くなり、腰痛や下肢の痛み、しびれなどの症状を強く感じるようになります。

 

 

腰椎分離症はどこが折れるのか?

腰椎分離症の骨折は背中側の突起の部分(腰椎関節突起間部)で骨折が起こります。

ストレスのかかり方によって、突起の両側が折れたり、片側が折れたり、縦に割れたり、横に割れたり折れ方も変化します。

どこで折れるのかを簡単なイラストにしたのが下の図です。

「腰椎分離症」の画像検索結果                          

【腰椎を下から見たイメージ】 矢印のところが分離部です。

 

 

腰椎分離症は疲労骨折なので、1度や2度の激しい運動をしたからといって起こる訳ではありません。

練習や試合で何度も腰椎にストレスがかかり、だんだんと脆くなって折れてしまいます。

特に下のイラストのような「背中を反らす(伸展)」と「身体をひねる(回旋)」という2つの動きで腰椎にはストレスがかかると言われています。

例えば、 野球のバッティング、ピッチング

     バレーボールのスパイク

     サッカーのキック

     テニスノサーブ

腰椎分離症は腰椎の突起の両側が折れる場合と片側だけ折れる場合があります。

腰を反る動き(伸展)によってストレスを受けて折れる場合は両側、捻る動き(回旋)の場合は片側の骨に負担がかかります。

こんな人に起こりやすい

  激しい運動によって起こることが多く、20歳以下の成長期の若者、特に10~17歳の子どもに多く見られる障害です。

 

スマッシュこれは骨や筋肉がまだ成長過程でしっかり出来上がっておらず、運動のしすぎによって疲労骨折しやすいためです。体操、バレエ、野球、バドミントン、テニス、バレーボールなど、"背中を瞬間的に大きく反る"動きが多いスポーツでは、腰椎に過剰な負担をかけるため多く見られます。
スポーツを日常的に行っている成長期の子どもに腰痛がみられる場合、原因の大半は腰椎分離症・すべり症であるとされています。

大人で発症しやすいのは、子供の頃や学生時代に激しい運動をした経験がある人です。少年期に腰椎分離症を発症したものの症状がないため気づかず、成長後に捻挫や疲労が引き金になって痛み始めるものです。
また、生まれつき椎間関節が弱い人も発症しやすくなります。

 

 

両側で折れて、骨折が治らなかった場合は「すべり症」に発展してしまう可能性が高くなるという報告もあります。

 

 

腰椎分離症の治療方法

腰椎分離症の基本は手術などをしない(保存療法)です。

完全に治るまでは、重いものを持ち上げる、長時間同じ姿勢でいる、腰をひねるなどの、腰に大きな負担をかける動作は控えましょう。また、治癒後は適度なトレーニングで腹筋・背筋を鍛えると、再発の防止に役立ちます。体重の増加も腰椎に負担をかけるので、肥満予防も心がけるといいでしょう。

 

初期の骨折であれば、硬性コルセットというコルセットをつけて3か月間、競技を中止して骨がつくのを待ちます。

 

この間にしっかりとリハビリをする事も重要です。

ここで難しい事は、競技を3か月以上中止する事ができない?しない?選手が多い事です。痛みがあるのは体からのSOSです。

 

これは指導者より強制されたり、大きな大会が迫っている、しないとレギュラ-から外されるなど短期的なことだけ考えて将来のことを考えないで続けることが多いからです。医療機関ではない、一部の整体整骨院などでは治療しながらスポ-ツをするといったような誤った指導をしている例が見られます。十分注意してください。

このように安静期間を守れずに、痛みをこらえて競技に復帰してしまい、症状を悪化させる事があるのが現実です。

骨折が末期の状態で腰椎分離症が見つかると、コルセットをつけて安静にしても骨がつく事が難しい場合もあります。

その場合は軟性コルセットを装着して、痛みをコントロールしながら競技に復帰することもあります。

どちらの場合も、症状をそれ以上悪化させないために、体幹の筋力トレーニング、股関節の可動域(動く範囲)を改善することは非常に重要です。

たかが腰の痛みと甘く考えず、早期に診断をうけ治療を開始するようにしましょう。

画像:装具で腰を保護

痛みがあれば運動を中止して必ず受診しましょう。

そして股関節の柔軟性、体幹の筋力改善に努めて、痛みがなくなってから競技に復帰するように心がけましょう!

1人でも怪我でスポーツができなくなる子が減る事を、心から願っています。

 

治療
腰椎コルセット

症状が軽い場合は腰痛の一般的な治療を行います。
回復の早い成長期の場合、骨折したばかりの早い段階なら運動を休んでコルセットで患部を固定しておけば骨がくっついて治り、腰椎分離症にはならずにすみます。
完治するまでの3~6ヶ月はコルセットをして運動を控えてしっかり治すことが大事です。腰椎分離症になってしまった場合でも完治すれば問題なく運動できるようになりますので心配ありません。

「骨折から時間が経ってひび割れが広がっている」、「分離箇所が多い」、「中高年者で回復が遅い」といった場合でも基本的な対応は同じです。
 激しい運動を避け、腰をコルセットで固定して安静にします。痛みがつらい時は痛み止めの薬を服用したり神経ブロックの注射で対応します。治るのに時間はかかっても、こうした治療法で大抵は良くなるため、手術が適応される症例はそれほど多くはありません。ただし、骨折箇所が多いと将来分離すべり症が発症することもあります。

 

<手術について>
手術が必要になるのは、主に神経が障害されているケースです。

神経の圧迫がある場合、狭くなった脊柱管の中を広げて神経を緩める「除圧固定術」を行います。
すべりの程度が大きく、除圧固定術では十分な効果が見込めない場合は、ずれた椎骨をネジや人工骨で固定する「脊椎固定術」などが行われます。

 

日常生活における対策・予防法

子供がスポーツをしていて、「なんとなく腰が疲れる」、「練習中に腰の痛みが気になる」など、腰の違和感を訴えたら、それくらい大丈夫だろうと軽く考えず、できるだけ早く整形外科で診察を受けましょう。痛みを我慢して練習を続けると骨折をこじらせてしまいます。

腰痛分離症は早めの処置が肝心です。早いうちなら腰にコルセットをしっかりつけて、運動を休めば治ります。完治した後はいくらでも運動ができるようになるので、少しの間だけ我慢させてください。また、運動の指導者にもしっかり説明して理解してもらう必要があります。
ただ、治療せずに見逃したとても、大事に至ることは滅多にありません。

腰痛分離症は痛みなどの症状が出ないケースも多く見られます。成人~50代で、健康診断などで腰痛分離症が見つかった場合でも、日常生活や運動時に痛みなどの症状がなければ治療の必要はありません。普通に生活していて大丈夫です。

 般的に保存療法が第1選択です。

 

 保存療法を選択した場合でも骨癒合を期待しての治療(6~12ヵ月)か、疼痛軽減目的(1~3ヵ月)かで安静期間は異なります。体幹に負担のかかるスポーツ活動は3~6ヵ月間休止します。実際には、長期間の休止は選手や周囲の理解が得られず、早期に復帰してしまい症状の再発を繰り返す場合が多く見られます。したがって、病態について懇切なる説明と理解が必要です。 疼痛対策には温熱ホットパック、低周波、干渉波などの物理療法、消炎鎮痛剤を用います。体幹の保護にはコルセットも有用です。

一定の安静期間後に疼痛が軽減したら体幹のストレッチング、腹背筋訓練など基本的運動を開始します。

 

 


腰痛の予防・改善には腹筋や背筋を鍛えるトレーニングを行うのが有効とされ、表にある大きな筋肉を鍛えることが定番になっていました。しかし最近では、その部位のインナーマッスルを鍛えるのがもっとも重要であることがわかってきました。

インナーマッスルとは、体の外から触れることができない深層の筋肉のこと。体幹にあるものはコアマッスルと呼ばれ、それを鍛えることが、腰痛の予防・改善にもっとも効果的とされています。

中でも、腹横筋と多裂筋、腰方形筋、脊椎起立筋、腸腰筋と呼ばれる筋肉群が重要とされています。特に、腹横筋はさまざまな動作の初めに活動する筋肉であることから、ここがしっかり働くことで、腰部の安定性を強くできると考えられています。

また、筋トレには筋肉を動かすことで血流をよくする効果も見こめることから、血行不良による腰痛の予防・改善にも効果的です。

腰痛予防に効果的なトレーニング

それでは、腰痛の予防に効果的なコアマッスルトレーニングをご紹介します。

ブリッジ

ヒザを立てて仰向けに寝ます。お尻を持ち上げ、ヒザから肩までが一直線の坂になるようにします。この状態で、15秒~30秒ほどキープしましょう。ポイントは、前モモに力が入らないようにすることです。前モモに力が入ると腰が反って痛みやすくなります。かかとの位置がお尻に近すぎると前モモに力が入りやすくなるので注意してください。下ろすときは、背骨の上のほうからゆっくり下ろしましょう。3セット行うのが目安です。

慣れてきたら、キープするときに片脚をまっすぐ伸ばしてみましょう。負荷が高くなります。ただし、姿勢が崩れると効果がなくなってしまうので、くれぐれも無理はしないようにしてください。やり方を間違うと、逆に腰を痛めてしまうこともあるので、正しい姿勢を保つことが大切です。

ームレッグクロスレイズ

両手、両ヒザを床について、四つん這いになります。片方の腕と、逆側の脚をまっすぐ伸ばします(例えば、右腕を前に伸ばした場合は、左脚を後ろに伸ばします)。このとき、体は水平に保つようにしましょう。この状態で、15秒~30秒ほどキープします。逆も同様に行いましょう。3セット行うのが目安です。姿勢が崩れると効果がなくなるので、体を垂直に保つよう意識してください。

なお腰痛のある人は体が硬くなっている人が多いようです。腰を曲げて床に手がつかないような人にはつかない場合は、無理のない範囲で軽いトレーニングから始めましょう。特にストレッチから始める必要があります。ここでおすすめのストレッチ方法があります。

 

 

ジャックナイフストレッチ→ここをクリック

 ジャックナイフストレッチは発育期で骨と筋肉の伸びが先に骨が伸びることによって相対的に筋肉が短くなったために筋肉が硬くなった場合に有効なストレッチです。

詳しい説明はジャックナイフストレッチの項を見てみてください。

 

手術

手術は保存療法に抵抗して長期間疼痛が残存する症例で、神経根症状が伴うことがあります。分離部の動揺性が強い場合は骨移植手術、脊椎固定術などを行うこともあります