寝違え

 寝違えは眠る前には頸部の痛みを伴う症状はなく、目覚めた時より痛みを生じた状態です。

原因
寝違えは不自然な姿勢で眠って、首周辺の関節や筋肉に負担がかかり、痛みが生じます。
 以下のようなものが原因として考えられます。

 

  1. 寝ている間に、頸椎の椎間関節という首の後ろにある関節がねじれて痛みが生じる
  2. 寝返りをうたない。
     同じ姿勢を長く続けないように、寝返りを打つことで特定の場所に負担がかかるのを防ぐのですが寝返りをうっていない場合があり
     特に、横向きで寝るのが好きな人の場合、寝返りを打たずに同じ方向ばかり向いていると、一部の筋肉ばかり伸ばされて寝違えの原因となります。
  3.  枕の高さが合っていない
     枕が高すぎると、姿勢が不自然になりやすく、首回りの筋肉を痛めてしまい、炎症が起こりやすくなります。頻繁に寝違えが起きる方の場合は、枕などの寝具が体に合っていない可能性が考えられます。
       このため、寝違えを防ぐためには自分の体に合った枕を使用することが重要なのです。
    一般的には、上を向いて寝る場合には首の角度が15度くらいになるよう調節すると良いです。
    横を向いて寝る場合は、頭が床と平行になるように高さを調節するのが良いようです。
    さらに、枕は高反発のものを選びましょう。
     
  4. 頸部リンパ節炎:小児で上気道感染後に1~数週間後、リンパ節炎などに合併して生じるもので多くの場合抗生物質投与と頸部の安静で1-2週間で改善するもの。
  5. 子供などで炎症性斜頸と言上気道感染後って環軸椎回旋位固定が起こった場合

 

 一部の人が首の寝違えは、腋窩神経(肩の後外側にある)が寝ているときに圧迫されたためだという説を唱えている人がいるのですが、これはあまり正しくはないと思っています。

 

治療

寝違いの経過は2-3日の急性期を過ぎたら通常は徐々に痛みが消えていきます。約1週間で60%2週間で80%が改善します。ゆえに急性期は首をあまり動かすことなく安静につとめましょう。

 

急性期には無理をして首をストレッチするのは逆効果です。まずは冷やして、鎮痛剤を投与して安静してもらいます。頸椎カラ-などが処方されます。

 

しかし一部の人では1か月以上痛みが続くことがあります。

痛みが増強するようなときは再度X線検査、CT,MRIをとりましょう。

 

寝違いではこれをしたら確実に治るというものはありません。

ただ頸のストレッチではなく、肩甲骨をストレッチして筋肉の凝りをとることはよいと思われます。

具体的には肩を後方に伸展させたり、手を帯を結ぶ動作をしたうえで肩を張るということは試してよいと思います。もちろんストレッチの原則として、痛みが出る直前までで止める。痛い方向には動かさないということは守る必要があります。

 

もし自分で自己診断して、1週間を過ぎても治らない場合は他の病気も考える必要があります。やはり原則は整形外科のある医療機関で検査を受けるようにしてください。