膝蓋骨亜脱臼症候群とは膝の膝蓋骨がはずれる、ずれる、いわゆる膝が抜けるような症状を発症する膝関節の不完全脱臼(亜脱臼)の事です。
膝蓋骨とは、一般的に「膝のお皿」として知られている骨であり、太ももの大腿骨と脛の脛骨の末端部分で形成する膝関節の前面部分に遊離した状態で腱組織や靭帯組織で固定されている骨です。
膝蓋骨は大腿四頭筋の中間広筋が膝蓋骨底に付着し、外側広筋腱と内側広筋腱が膝蓋骨両端に付着する形で骨の安定化を計る構造です。
スポーツ選手などで膝蓋骨脱臼を発症するケースの大半は外側広筋と内側広筋の筋力バランスの違いが原因となり膝蓋骨は膝の外側へ脱臼します。
※膝蓋骨脱臼の大半は膝の外側へ外れる
このように膝蓋骨が何らかの原因で完全に外れてしまった場合は「膝蓋骨脱臼」と診断され、完全な脱臼症状とまではいかないまでも位置がずれてしまったり、定期的に軽い脱臼症状を繰り返すようになってしまった場合は膝蓋骨亜脱臼症候群の可能性が検討されます。
膝蓋骨の亜脱臼症状を発症すると、まず膝関節前面部分の広範囲にかけて痛み症状を発症するようになります。
この膝関節周囲の痛みは膝蓋骨がずれる、もしくは外れてしまう事によって靭帯部分や膝蓋骨組織に炎症症状を発症している為です。
炎症が強く出ているケースでは膝下の脛骨上端に近いあたりまで痛みを訴えるケースがありますが、多くのケースでは膝蓋骨周辺に痛みを感じている事を訴えるものです。
膝蓋骨周囲に腫れが確認され膝に水が溜まっているように見える場合は、血液が患部に溜まっている可能性がありますので早急に医師の診察を受ける必要があります。
尚、膝蓋骨の少し外側、もしくは少し内側部分など局所的に痛みの自覚症状が確認できる場合もあります。
このように局所的に痛みを感じる場合は靭帯組織に炎症を発症している可能性が高く、膝蓋骨亜脱臼症候群の他、膝蓋靭帯炎など幾つかの疾患の可能性を検討する必要があります。
完全脱臼の場合は外部からの目視でもある程度までは脱臼の判断が推測できるケースもありますが、膝蓋骨亜脱臼の診断は最終的にレントゲン撮影で膝蓋骨の配置を確認してから行います。
【膝蓋骨亜脱臼症候群の症状の特徴】
★歩いたり走ったりはできるが膝に痛みがある
★膝に水(血液)が溜まり腫れる
★膝蓋骨周辺に痛みを強く感じる
★膝蓋骨の位置が左右どちらかにずれている
★普段から膝に違和感を感じている
★以前から運動時に膝が痛む時があった
膝蓋骨亜脱臼症候群の発症原因は、先天性のいわゆる生まれつきの膝関節構造を原因とするケースと、突発的な強い外力によって発症するケース、また長期間に渡り継続的に負荷が加わることによって亜脱臼症状を発症するケースなど幾つかの原因が考えられます。
後天性による突発的な強い負荷などによって膝蓋骨亜脱臼症状を発症するケースでは、膝蓋骨を固定している「MPFL(内側膝蓋大腿靭帯)」と「LPFL(外側膝蓋大腿靭帯)」に損傷、もしくは断裂症状を発症しているケースも多く、痛みは一時的に強く現れる傾向にあります。
また長期的に膝関節への負荷が継続されている疲労が蓄積している状態で強い負荷が加わるなどした場合にも突発的な症状を発症するケースがあります。
尚、膝蓋骨亜脱臼症候群の発症割合は先天性の生まれつきの膝関節の構造を原因とするケースが大半です。
先天性の膝蓋骨亜脱臼症候群の場合は、膝蓋骨を支える靭帯組織が既に断裂状態にあるケースや膝の皿の位置ずれによって強い炎症を繰り返し再発しているケースもある為、早期に治療を開始する事が望ましいと言えるでしょう。
【膝蓋骨亜脱臼症候群の発症原因】 | ||
---|---|---|
先天性 | 生まれつきの膝関節の構造が原因 | |
突発性 | 膝関節に強い外力が加わる事が原因 | |
継続的な負荷 | 継続的に負荷が加わり続ける事が原因 |
膝蓋骨亜脱臼症候群の治療法とリハビリについて確認しておきましょう。
突発性の一時的に強い外力を受け膝蓋骨脱臼を発症してしまった場合は、膝蓋骨を固定する靭帯組織に炎症を発症している為、まずは痛みの軽減の意味も兼ねてアイシング処置を実践していきます。
病院の診察で「運動はいいですよ。」と言われたケースであっても自覚症状として痛みが強く出ている間は運動を制限することが基本です。
また、先天性の場合は繰り返し脱臼を繰り返す反復性膝蓋骨脱臼と呼ばれる症状を発症しやすくなるため、大腿四頭筋群を中心とした膝蓋骨を固定する筋肉組織を強化していく事が大切です。
スポーツアスリート選手などでリハビリを開始する場合は膝蓋骨を安定化させる為の横方向の動きに制限を加えるテーピング処置を行います。
膝蓋骨亜脱臼のテーピング処置は不安定な膝蓋骨の安定化にも繋がる為、回復の度合いにもよりますが治療期間初期~リハビリ期間、そして現場復帰後の数週間は適切に処置を行う必要があります。
毎回施術を行なうのが大変な場合は膝蓋骨脱臼専用の補助ベルト付サポーターを利用するのもひとつの方法です。
専用サポーターは通常の履くだけのサポーターと比べると装着手順を覚える必要があり、また装着するまでに時間がかかる点が欠点であると言えます。
但し強いサポート力を得られる点と再発しやすい膝蓋骨脱臼の予防対策としても利用できるため長期的に考慮すると便利な装具であると言えるでしょう。
尚、膝周りのテーピングを行う際は膝周りの毛を処理しておくとフィット感の向上に繋がり、テーピングのズレを防止する事が可能です。
処理を行わない場合はテーピングを巻く前に専用のアンダーラップを巻いておくと剥がす際に毛を巻き込まずに済むため安心です。
尚、先天性の膝蓋骨亜脱臼症候群で何度も脱臼症状を繰り返すような場合は最終的に手術療法による治療を検討していく必要があります。
頻繁に症状を繰り返したり、痛みがあまりにも強く出ている場合は、必ずご自身の担当医に相談し手術が必要かどうかについての確認をしておくと良いでしょう。
おさら(お皿)がはずれる、おさら(お皿)がはずれそう、膝がぬける、膝がぬけた、などの経験はないでしょうか?膝の関節に時々、出血がでる、血がたまる などの症状はないでしょうか?
病気の原因:主に先天的な原因が多い
・若い女性で多い
・X脚のヒトがなりやすい
・脛骨粗面(膝蓋骨から5cmくらい下の突出したところ)が膝の中心より外にある
・大腿骨の膝蓋骨関節面の溝が浅い
症状:
・膝蓋骨が時々はずれる・・反復性膝蓋骨脱臼
・膝蓋骨の不安定感(はずれそうな感じ)・・・膝蓋骨亜脱臼症候群
・膝蓋骨周囲の痛み・だるさ・・・反復性膝蓋骨脱臼・膝蓋骨亜脱臼症候群
『前から怪我がないのに冷えると膝周囲が痛かったり、だるかったりすることが多いですよねえ』
いつからかと聞くと、
『結構前から、あー10年以上前からですね』とか、長期にある人がいる。
これは膝蓋骨亜脱臼症候群に伴う膝蓋骨軟化症が原因と考えられる。
診断
・単純X線(レントゲン写真)で軸写(軸射)を30°60°90°の膝屈曲角度で撮影する
・CT撮影(関節の骨格上の不具合や骨折がよくわかる)
・MRI撮影(MPFL靭帯の断裂や軟骨の欠損がみつかる)
MPFL(内側膝蓋大腿靭帯)とLPFL(外側膝蓋大腿靭帯)がお皿(膝蓋骨)の横への脱臼が起こらないよう支えている重要な支持機構。
この写真の方は、17歳女子で膝周囲の漠然とした痛みが続き、数件の整形外科医を受診するも原因がわからなかったらしい。単純X線の通常の撮り方では、一 見普通に見えてしまう(図1)
しかしながら膝蓋骨軸射撮影では膝蓋骨が外側に亜脱臼しているのは一目瞭然である(図2)
治療
1)膝蓋骨脱臼
・MPFL(内側膝蓋大腿靭帯)が断裂
・骨軟骨骨折を伴うことが多い
・先天的に脛骨粗面の外側偏位
・大腿関節溝が浅い
*保存療法:内側広筋訓練、パテラサポーター(図)←効果は多少あるけどもサポーターをいつまでつければいいのか?サポーターで治ってしまうわけではな い!脱臼や亜脱臼を予防する意味しかありません。残念ながらしっかり直すには手術しかないのが現状です。
2) 脛骨粗面内方移行術
膝蓋骨亜脱臼の場合、実は手術はあまり必要ない可能性もあるのですが、脱臼では特に反復性の場合は、手術が必要です。
肩こりや腰痛は多くの現在人が持っている共通の悩みです。
最近の研究によると筋肉のこりや痛みは筋肉そのものにあるのではなく、その周囲を包む筋膜という袋にあるということが分かってきました。
筋膜は筋肉どうしを隔てる壁になっているだけでなく、全身の体型を維持するようなボデイス-ツのような役割をしています。
最近の研究で筋繊維自体に痛みを感じるのではなく、痛みを感じる場所は、筋膜にあるということが分かってきました。筋肉が損傷を受けるとその周囲の筋膜は固くなり肥厚してきます。その場所は筋膜が厚くなってこれを外から押すとひどく痛い圧痛点があり、ほかの場所にも放散痛を起こします。この場所をトリガ-ポイントといいます
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上の超音波エコ-でやや上部の白く線上になっているところが筋膜です。
この筋膜の凝り固まったところを薬液で直接リリースする(はがす)ことが出来ます
エコ-を見ながら筋膜に針先を侵入させ、筋膜の重積している中にに局所麻酔剤や生食を入れて筋膜はがしをするわけです。
この患者さんも筋膜はがしを行いましたが痛みや凝りはすぐに軽減しています。
慢性のめまいや頭痛が一緒に取れて喜んでいる患者さんもおられます。
肩こりや腰痛で気になっている方はご相談ください
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書類作成という役務の提供に際し、文書料が発生します。
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しかし注射のほうが飲み薬より効果がよいとか、注射の代わりになる方法ないとかいう場合は注射をせざるを得ません。
膝関節にヒアルロン酸を注射するのに、飲むヒアルロン酸があるからよいと思う人があるでしょうが、それは間違いです。飲むヒアルロン酸は胃酸で分解を受けますので関節に直接届くことはありません。またヒアルロン酸は高分子でないと効果はありませんが、これを直接関節に届けるのは
抗生物質も飲み薬より点滴のほうが効果が強いといえます。またインフルエンザなどの予防も注射しか方法がありません。
すなわち人間は注射を打たずに済ますことは非常に困難です。それでは注射を痛くなくするのにはどのような方法があるかをここに挙げてみたいと思います。参考にしてください。
針は素早く入れ、素早く抜くと痛みが減るといわれています。
2、細い針を使う
注射をするのにもちろん小さい針が痛くないのは当然のことです。
当院ではできる限り小さい針を使うようにしています。
3、注射するところを圧迫する、注射するところをつねる
注射をする部位を針を刺す数秒前からかなり強く圧迫しておき、手を放した瞬間に消毒して注射する と、痛みをあまり感じなくて済むといわれます。
また注射する前に皮膚をつねっておくと痛覚が麻痺を起こします。この方法も痛みをあまり感じなくなります。
4、注射する場所を工夫する。
例えば膝関節の場合,膝の外方より刺入するほうが、内側より痛みが小さいようです。さらに膝の膝蓋骨の
下方より刺入すると、ますます痛みは感じにくいようです。
当院では注射場所を工夫したり、刺し方を変えてみたりしてなるべく痛くないようにしています。
5、注射を打つ前に麻酔薬入りの張り薬を貼る。その後30分ぐらいしたら痛みを感じにくくなります。
また挫滅創はいきなり消毒をすると痛いので、キシロカインゼリ-を塗布して処置を行うようにしています。
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