「五十肩」は、中年以降に肩関節周囲組織の退行性変化を基盤として明らかな原因なしに発症し、肩関節の痛みと運動障害を認める疾患群と定義されている1)(広義の五十肩)。五十肩には特に誘因が認められないことが多く、ときに軽微な外傷の繰り返しの後に肩の不快感や疼痛で発症する。好発年齢は40~60歳代である。
肩関節は上腕骨、肩甲骨、鎖骨の3つの骨で支えられ、肩を大きく動かすために肩甲骨関節窩が小さく上腕骨頭のはまりが浅い(図)。骨だけでは構造的に不安定なところを関節包や発達した腱板が強度を高めている。そのため、肩の酷使によって炎症や損傷が起こりやすく、痛み、可動域の制限が起こると考えられる。また肩関節の炎症は、肩峰下の滑液包や関節周囲の筋肉に広がることがあり、このような肩関節周囲炎が狭義の五十肩と呼ばれる。
五十肩は通常、片側にだけ発生し、回復後に同側に再発することはほとんどないため、強い肩の痛みを繰り返して訴える場合は、他の疾患との鑑別が必要となる4)。腱板断裂、石灰性腱炎、変形性肩関節症、絞扼性神経障害、頸椎疾患、神経原性筋萎縮症、腫瘍性疾患、内臓からの関連痛などに注意する1)。問診、診察・理学所見、画像診断(単純X線撮影、MRI、超音波検査・関節造影など)から鑑別する。
特に、痛みが長引くときは腱板断裂を疑う。五十肩と腱板断裂では痛みの現れ方が違うことが多い。五十肩では腕を上げる途中に痛みがなく「これ以上は上がらない」という動きの最後の時点で痛みが起こることが多く、腱板断裂では腕を上げる途中に痛みが起こることが多い。腱板断裂を放置しておくと腱板や周囲の筋肉がやせたり断裂が広がったりして日常生活機能を冒しかねず、早期発見が重要である。
五十肩の病期は症状の推移から三期に分けられ、一般に発症から約2週間の急性期、その後約6ヵ月間の慢性期を経て回復期に至る4)。
急性期には運動制限を引き起こす運動時痛に加えて安静時痛や夜間痛が出現し、徐々に関節拘縮が現れて肩の可動域が制限される。慢性期には徐々に痛みが軽減し日常生活でも患肢をかばう必要がなくなるが、可動域制限は残存する。回復期には可動域制限がまだ残るものの、痛みが少ないために大きな機能障害の自覚はなくなり徐々に可動域が自然回復する。これらの回復経過に1年前後を要するとされるが、一方で平均約7年後にも半数の患者に何らかの痛みや可動域制限が存在していたとの報告があり5)、安静と患者の自然治癒力に任せるだけでなく、積極的に痛みと可動域制限を改善する治療が必要である。
治療方針は2つ。すなわち、肩関節の痛みを和らげて、かつ可動域を改善することである。薬物療法、運動療法、理学療法で改善することが多いため、ほとんどの症例で手術は必要ない。手術の場合も侵襲性の低い関節鏡視下授動術などを選択できる。治療に先立ち「五十肩の経過」と「大多数の患者では自然に回復する」ことを説明して患者の不安感を和らげてから、治療の内容を伝える。治療は数ヵ月以上にわたり、自発的な運動療法の継続が必要なため、患者が積極的に治療に取り組むことが重要である。
急性期の痛みの強い時期には荷物や肩を上げる動作で肩に負担をかけないようにし、比較的安静を保たせる。痛みが落ち着いてきたら痛みのない範囲で動かすように指導する。慢性期や回復期では痛みの状態を確認しながら、関節の拘縮を改善する運動療法を指導して積極的に肩を動かすようにさせる。
除痛には薬物療法が有効であり、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を用いる6)。経口剤(錠剤など)は日常的に使用され、その効果も確認されている。最近はパップ剤、テープ剤などの外用貼付剤も多く販売され、経口剤に匹敵する効果が認められている。また、主な副作用は皮膚のかぶれ等であることから比較的使用しやすい。ときに筋弛緩剤や精神安定剤を組み合わせることもある。また、痛みが強い場合には肩峰下滑液包内または肩関節腔内にステロイド剤と局所麻酔剤の混合液や、高分子ヒアルロン酸ナトリウムを注射する除痛法もある。
慢性期に入って痛みが弱まったら、肩関節の拘縮予防と可動域改善のために運動療法を開始する。肩を温めながら少しずつ動かし、痛みがほとんどなくなる回復期に入ったら、徐々に動きが良くなるのに合わせて、慢性期以上に積極的に肩を動かすようにする。基本的には患者自身が自宅で行えるCodman体操(振り子運動)などで訓練させるが、改善が思わしくない場合は通院にてリハビリを行う。運動療法と同時に保温、血行の改善、痛みの除去、筋痙縮の軽減などを目的として、温熱・冷熱療法、超音波療法などを組み合わせることがある。
五十肩は痛みと関節可動域の制限から日常生活を大きく妨げる。つらい症状を改善する治療が、中高年以降のQOLを高めるために重要である
肩こりや腰痛は多くの現在人が持っている共通の悩みです。
最近の研究によると筋肉のこりや痛みは筋肉そのものにあるのではなく、その周囲を包む筋膜という袋にあるということが分かってきました。
筋膜は筋肉どうしを隔てる壁になっているだけでなく、全身の体型を維持するようなボデイス-ツのような役割をしています。
最近の研究で筋繊維自体に痛みを感じるのではなく、痛みを感じる場所は、筋膜にあるということが分かってきました。筋肉が損傷を受けるとその周囲の筋膜は固くなり肥厚してきます。その場所は筋膜が厚くなってこれを外から押すとひどく痛い圧痛点があり、ほかの場所にも放散痛を起こします。この場所をトリガ-ポイントといいます
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上の超音波エコ-でやや上部の白く線上になっているところが筋膜です。
この筋膜の凝り固まったところを薬液で直接リリースする(はがす)ことが出来ます
エコ-を見ながら筋膜に針先を侵入させ、筋膜の重積している中にに局所麻酔剤や生食を入れて筋膜はがしをするわけです。
この患者さんも筋膜はがしを行いましたが痛みや凝りはすぐに軽減しています。
慢性のめまいや頭痛が一緒に取れて喜んでいる患者さんもおられます。
肩こりや腰痛で気になっている方はご相談ください
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しかし注射のほうが飲み薬より効果がよいとか、注射の代わりになる方法ないとかいう場合は注射をせざるを得ません。
膝関節にヒアルロン酸を注射するのに、飲むヒアルロン酸があるからよいと思う人があるでしょうが、それは間違いです。飲むヒアルロン酸は胃酸で分解を受けますので関節に直接届くことはありません。またヒアルロン酸は高分子でないと効果はありませんが、これを直接関節に届けるのは
抗生物質も飲み薬より点滴のほうが効果が強いといえます。またインフルエンザなどの予防も注射しか方法がありません。
すなわち人間は注射を打たずに済ますことは非常に困難です。それでは注射を痛くなくするのにはどのような方法があるかをここに挙げてみたいと思います。参考にしてください。
針は素早く入れ、素早く抜くと痛みが減るといわれています。
2、細い針を使う
注射をするのにもちろん小さい針が痛くないのは当然のことです。
当院ではできる限り小さい針を使うようにしています。
3、注射するところを圧迫する、注射するところをつねる
注射をする部位を針を刺す数秒前からかなり強く圧迫しておき、手を放した瞬間に消毒して注射する と、痛みをあまり感じなくて済むといわれます。
また注射する前に皮膚をつねっておくと痛覚が麻痺を起こします。この方法も痛みをあまり感じなくなります。
4、注射する場所を工夫する。
例えば膝関節の場合,膝の外方より刺入するほうが、内側より痛みが小さいようです。さらに膝の膝蓋骨の
下方より刺入すると、ますます痛みは感じにくいようです。
当院では注射場所を工夫したり、刺し方を変えてみたりしてなるべく痛くないようにしています。
5、注射を打つ前に麻酔薬入りの張り薬を貼る。その後30分ぐらいしたら痛みを感じにくくなります。
また挫滅創はいきなり消毒をすると痛いので、キシロカインゼリ-を塗布して処置を行うようにしています。
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